項目別に“読む”ではなく“読み込む”
“読む”のではなく“読み込む”ことが大切
求人情報は、その企業の採用方針や人材活用を凝縮したエッセンス。決して読み飛ばしてはいけません。
一つずつの項目をしっかりチェックすることで、選考基準のツボが分かるケースもよくあります。
おすすめしたいのは、単に“読む”のではなく“読み込む”つもりで見ていくこと。自分に合った企業を探すだけでなく、応募書類や面接で使える自己PRのツボを見つけるつもりでチェックしてください。
「職種情報」を読み込むポイント
マイナビ転職の職種情報を例に、各項目を読み込むポイントをチェックしていきましょう。
POINT.1 職種名/雇用形態
それぞれの雇用形態の内容と特色を知ったうえで選ぶ
志望業界の志望職種で、仕事内容も希望に合うなら正社員でなくてもいい……という考え方もあります。
でも、例え同じ職場の同じ職種でも、雇用形態の違いで守備範囲や働き方に差が出るもの。
収入や待遇も違うので、それぞれの特色を理解したうえで長い目で判断しましょう。
また求人情報のなかには、FCオーナー募集や業務委託など、「雇用契約」ではないものもあるので注意してください。
POINT.2 募集の背景
企業が抱えている課題に注目
企業が採用を行うことになった背景を記しています。「新規事業の立ち上げ」「欠員募集」など、採用を行う企業は必ずその背景に課題を抱えています。
応募する企業が現在どのような状態にあり、どのような課題を抱えているかを正確に把握することで、自己PRのヒントにしてください。
POINT.3 仕事内容
入社後の主要業務や具体的な作業内容をしっかり確認
職種名にとらわれず、仕事内容をしっかりと確認しましょう。例えば「○○プランナー」「△△カウンセラー」とあっても調査・企画や指導・相談を主業務にした職種であるとは限らず、営業・販売の仕事である場合があります。
また、現在の職種と同職種への転職の場合も、仕事内容を分かっているつもりでいるのはキケン。
勤務先の業種などで守備範囲はかなり違います。事業内容と併せたチェックもしておきましょう。
POINT.4 求める人材
合致していなくてもカバー要素があればアピールして損はない
この欄では「この条件に合う人が選考対象です」という基準が分かります。必要な経験、所持資格、スキル内容などが記されていますが、必須レベルなのか、それとも歓迎レベルなのかを把握しましょう。
条件を満たさない場合も、簡単にあきらめては損。「簿記2級は所持していませんが、試算表作成や決算業務の経験があります」などカバー要素を伝えることをおすすめします。
POINT.5 勤務地
複数の勤務地がある場合の配属は指示に従うのが原則
所在地の記載が中心ですが、通勤の難易度は実際の距離よりも「時間距離」に影響されるもの。念のために交通手段やダイヤ、最寄駅からの徒歩時間などを確認することも大切です。
また複数の勤務地がある場合、配属は企業の指示に従うのが原則。本人の希望を考慮する制度の有無は企業により異なります。また、勤務地によって仕事内容に差が出るケースもあります。
安易な気持ちで応募書類に「勤務地は○○希望」などと書くのは避けたほうが無難です。
POINT.6 勤務時間
勤務制度に関する基本知識を理解したうえでチェック
求人情報には、就業規定による勤務時間帯や労働時間数が記されているのが普通です。残業の状況などを電話で尋ねるのはマイナス印象となりがち。必要なら面接で確認しましょう。
なお「フレックスタイム制」「みなし労働時間制」など、勤務時間にはさまざまな制度があります。
フレックスタイム制
ある一定期間における総労働時間が定められており、そのなかで労働者が自由に出退勤の時刻を決められる制度です。
ただし、コアタイムとして定められている時間帯には必ず勤務していることが求められます。
みなし労働時間制
業務遂行の方法を労働者にゆだねる裁量労働制においては、具体的に労働時間を算定しません。そのため、一定の時間を定めてその時間、労働したものとみなす制度です。
みなし労働時間制はすべての業務に適用されず、労働基準法で定められた業務(例えば新技術の研究開発やデザイナーなど)のみに適用されます。
POINT.7 給与
具体額は最終選考の段階まで分からないのが一般的
給与は、提示された職種、雇用形態、資格、労働条件に対して支払われることが保証される最下限の給与金額が記載されています。手取りは、記載された給与金額から社会保険料や税金などを引いた額です。
また、インセンティブなどがある場合も給与金額には含まれていません。
就業後、具体的にいくらもらえるかは初年度年収やモデル年収の記載があっても、最終面接や内定時までは分からないのが普通です。
POINT.8 昇給・賞与
入社後の最初の賞与は支給されない例も多い
昇給・賞与は、時期や回数が記載されています。注意したいのは、これらの内容は一般に就業規則によるという点。別途、「勤続1年以上が支給対象」などの規定が設けられている例が多いのも実情です。
また、賞与に「年2回、各○カ月分」などとある記述は、基本給や基準給与の○カ月の意味です。そのほか「支給実績額」の記述は、あくまで目安。入社すれば自分もその額がもらえる保証はないことも知っておきましょう。
POINT.9 諸手当
諸手当が多いほどトクと思い込まずに内容を確認
早出や残業などの「時間外手当」は法律で定めた手当ですが、そのほか独自の手当を設定する企業もあります。
マイナビ転職では、全員に一律に支払われる手当が、給与の表示額(固定給)に含まれている場合「一律手当含む」と記載があります。一律手当が多いほど、基本給が低い場合があるので、賞与や退職金などの計算の際には少なくなってしまうことも。
給与の表示額にプラスされる手当は、扶養家族がいる場合の「家族手当」、一定の資格を所持している場合の「資格手当」などがありますが、企業ごとに内容や名称がさまざまです。自分がその対象になる場合は、面接時に詳細を尋ねるとよいでしょう。
POINT.10 休日・休暇
休みは土日とは限らず、祝日の扱いも企業により違う
休日のシステムは企業によってさまざまです。マイナビ転職では、「完全週休2日制」は1年を通じて毎週2日の休みがある場合を指し、「週休2日制」は1年を通じて月1回以上週2日の休みがある場合を指します。
また、休みとなる曜日が記されていない場合、勝手に「土・日が休める」と思い込んではいけません。休みとなる曜日が固定されていない場合もあります。祝日がある週の休みがどうなるかも企業により異なるので確認するとよいでしょう。
また法律で決まった「年次有給休暇」のほか、どんな休暇があるかもチェック。企業によっては、「年間休日数」が記載されています。この日数に有給休暇は含まれません。
POINT.11 福利厚生
職場選びの一つの判断材料になるが、過剰な期待は禁物
「社保完」とは、社会保険完備の略。その企業が社会保険の適用を受けているという意味です。マイナビ転職では下記4つの保険すべてを備えている場合のみ「社会保険完備」と表記可能としています。
・健康保険・・・業務外の疾病、負傷、分娩等の費用の補助
・厚生年金保険・・・老齢・障害時等の生活費の補助
・雇用保険・・・いわゆる失業保険、失業時の賃金保障
・労働者災害補償(労災)保険・・・業務上の災害、事故の補償
また「育休」や「産休」は法律による制度なので、記載がなくても取得できますが、「育児短時間勤務制度」などがあれば子育て中に一日の労働時間が短い時短での勤務が可能です。
そのほか「財形貯蓄制度」「資格取得支援制度」「キャリアアップ研修」など、各種制度は職場環境の判断材料になります。
ただ、制度の種類によっては利用条件があるのも一般的。詳細な内容が不明なのに過剰な期待を抱き、企業選びの決め手にすると危険です。
POINT.12 会社・仕事の魅力/社員インタビュー
志望動機や自己PRのヒントにしよう
実際に働いている社員の言葉や、求人に際して企業が応募者にアピールしたい点が記されています。経営モットー、社風や職場環境、人材に対する考え方が盛り込まれているので、自己PRや志望動機のヒントになるでしょう。
先輩社員や人事担当者のインタビューにも、「即戦力」への期待や「未経験でもこんな方なら歓迎します」など、企業が求める人材像が隠れている場合もあります。
POINT.13 取材後記
取材から得られた第三者視点のコメントで雰囲気をつかもう
求人情報を制作する際の取材から得られた、企業の印象を第三者の視点で伝えています。
オフィスの雰囲気や人材に関する考え方や、その企業が展開するビジネスに関するトピックなど、あなたの会社選びのヒントとしてご活用ください。
POINT.14 応募方法・採用プロセス
記述がなくても履歴書・職務経歴書が必要と心づもりを
マイナビ転職では、ほとんどの企業がWeb上の応募フォームからエントリーを受け付ける方式をとっています。応募フォームの情報をもとに選考が行われて、面接に進むと考えていいでしょう。
けれど知っておきたいのが、それ以降の採用選考では、完全にペーパーレス化には至っていないということ。まだ大半の企業が、最終選考までのどこかで履歴書や職務経歴書の提出を求めているのが実情です。例え選考の流れのなかに、そうした記述がなくても、履歴書用の写真の準備を始め、きちんとした書類作成に備えておくことが大切です。
POINT.15 書類選考のポイント
書類選考時に最低限抑えておきたいポイント
書類選考時に企業が重視している点や、評価の基準が分かる欄です。
最低限、この欄で企業が求めているポイントを抑えて、自己PRや職務経歴書のなかでアピールしていきましょう。